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074 メルカリ(成功・成長の原理原則)

1.メルカリとは?

フリマアプリ。ネット上で誰でもモノの売買ができるよう仲介するサービスで、世界1億ダウンロードを突破しています。

中間マージンがなくなることにより、より高く売りたい個人とより安く買いたい個人のニーズをマッチさせているだけでなく、レアな商品やニッチな商品の売買にも使われています。今では車のような効果な商品のやり取りもされています。

www.mercari.com

 

2.収益の源泉は?

売買の仲介手数料が収益の源泉です。他のフリマアプリやオークションサイトでは、出品自体に手数料を取っていたり、会費が毎月発生しますが、メルカリの場合は売買成立時の手数料=成功報酬だけであることが手軽に売買を行える要素の一つであると言えます。

 

3.成功の肝は『手軽さと信頼の両立』

メルカリでは写真をアップしてメッセージを書けば、すぐに出品ができる気軽さが出品者の増加につながっています。その一方で、CtoCであるために、信頼性の低い出品がありえます。偽物や不良品、傷のある商品などをつかまされる可能性は、店舗で買うより高くなってしまいます。

メルカリではその対策として①評価をするまでお金のやり取りが生じない、②評価の積み上げによる信頼度の見える化を実施しています。

評価をして初めて入金/着金があることで、購入者にとっては商品を確認したうえで取引成立をコントロールする安心感があります。また、売買を繰り返している人ほど評価が蓄積され、高評価者から安心して購入ができること、出品側としては信頼度が積みあがることによりさらに出品がしやすくなるメリットがあります。

  

4.壁:海外の壁?

メルカリは日本での成功にとどまらず、海外に攻勢をかけています。その代表としてアメリカ進出を図り、巨額な投資をしていますが、その業績は振るっておらず、2019年6月期の個別業績で約104億円の特別損失を計上しています。

それ以前にも英国で失敗して撤退を余儀なくされています。

その要因の一つには、配送の精度があるようです。アメリカやイギリスでは日本のように安全に配送するのが難しく、盗難にあう可能性が高く、それを前提とした商売をしているようですが、メルカリのように唯一の商品を確実に届けなければならないケース、届かない場合を想定したオペレーションができていないことで、信頼度が勝ち取れていないという話があります。

今後も狙っていく市場ではあるものの、注力すべき領域にリソースを割くという方針により英国は撤退をしましたが、アメリカはまだ注力を続けるようです。

逆にこの経験を踏まえてか、東南アジアへの進出については長期的にはあり得るものの今は進出しない判断をしています。物流の整備が事業の成功に必須であることを踏まえての判断と考えると、妥当な判断に思いました。

 

 

★成功の条件:仮説★

・CtoCサービスは成功報酬(固定費NG)×手軽さ×信頼性が重要

 ・サービスの良しあしだけでなく、それを実現するためのインフラが大丈夫かを確認する