070 バーチャルボーイ(成功・成長の原理原則)
今回は、ITを活用した失敗事例を取り上げ、失敗から成功要因を探ります。
1.バーチャルボーイとは?
Nintendoが1995年に発売した、3Dゲーム機。当時としては最先端の3D技術により、今でいうVRのゲーム機を販売しました。世界では150万台売れたので失敗とは言い切れないかもしれませんが、当初予定の半分未満しか売れず1年後には終了。ソフトも19本しか出ておらず、少なくともNintendoのハードのなかでは大失敗といえます。
https://www.nintendo.co.jp/n09/vue/index.html
2.収益の源泉は?
ハードウェアの売上が収益の源泉です。
3.成功の肝は『タイミングと』
失敗の要因は色々分析されていますが、以下がメインのようです。
①パーソナルすぎる
→ゲーム機はみなで楽しんでやるものであって、一人だけが楽しむニーズは少なかった
②コントローラが3Dに対応しきれていない
→先進的なコントローラを出しているものの、3DとはいいがたいIFになっている
③魅力的なソフトが出てこなかった
SonyのプレステVRは最近人気を博したことも考慮すると、「タイミング」が時代の先端をいきすぎたという面が大きいのではと感じました。
4.壁:どうすればよかったのか?
後だしじゃんけんで、バーチャルボーイが成功するにはどうすればよかったのかを考えると、
①皆で画面を共有できる仕組みを作る
②コントローラをWiiのような3D対応にする
③ソフト会社や自社でソフトを注力して作る
となるのでしょうか。実現性を考えると相当に難しく費用対効果もなさそうです。やはり最先端をいきすぎるのは失敗リスクが高いといえます。
おそらくクラウドソーシングも20年前だと早すぎて全く流行らなかったでしょうし、AI-OCRやRPAも10年前だと「仕事がなくなるだろ!」というあらぬ時流につぶされていたかもしれません。タイミングを見て事業を始めることは非常に重要といえます。
★成功の条件:仮説★
・素晴らしい構想であっても時流に合っているか、タイミングに問題がないかという観点で検証が必要