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IT事業成長、成功の原理原則や、ビジネスアイデアを発信します。

062 カインズ(成功・成長の原理原則)

1.カインズとは?

関東を中心に展開するホームセンター。2019年3月に就任した高家社長がDXに舵を切り、2019~2021年度の3カ年でデジタル関連事業に100億~150億円を投資する計画を立てています。

積極的なデジタル化への取り組みにより、ECサイトの赤字を解消するなど様々な成果をすでに挙げており、2019年度はホームセンター業界第一位を獲得した、DX成功企業の一つ。

www.cainz.com

 

2.収益の源泉は?

ホームセンターやECサイトでの売上。

 

3.成功の肝は『パーソナライズデータの収集』

カインズは、ホームセンター市場の伸びが停滞するなか、他のホームセンターに一歩差をつけるためにデジタル技術に着目し、一気呵成に投資を行う判断をしています(トップダウン)。

DX推進の肝となるのは、組織の立ち上げで、エンジニアがいないなかでDXを協力に推進すべく、専門組織を立ち上げエンジニアを増やしていきました。

それ以外にも、CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)の設立をすることで最先端ベンチャー企業の発掘をするなどの積極的な投資をしています。

DXの中でもカインズが重視しているのは、顧客情報の把握によるパーソナライズサービスの提供です。

オンライン会員を増やすべく、会員カードを写真で撮るだけでオンライン会員証が作れる仕組みを数日でリリースするなど、会員増に向けた取り組みを即時に実行していきました。(この取り組みだけで、50万人のオンライン会員増につながった様子)

これにより、従来購買結果のみの分析しかできなかったところ、購買意思決定のプロセスをデータ化していくことに一歩ずつ近づいていっています。

 

4.壁:デジタル投資の費用対効果?

デジタル投資はお金がかかり、小売店舗の固定費と合わせるとかなり苦しい投資であると想定されます。一方でECに特化する気はなく、実店舗の改革がデジタル化の本丸であるようです。

これだけの投資を意思決定することにおいては、顧客体験の提供による売上増(キーワードは「ストレスフリー」「エモーショナル」「パーソナライズ」「コミュニティ」)で他社に対する優位性の獲得と、業務効率化によるコスト削減を両立することで業界での地位獲得、収益性向上を図れるという判断なのだと思います。

 

 

★成功の条件:仮説★

・頭打ちの業界では、顧客への体験価値提供を重視して競合との差別化を図る 

・効果的なDX施策実施には、優秀なエンジニアと、数日でサービス提供してしまえる土壌が必要