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IT事業成長、成功の原理原則や、ビジネスアイデアを発信します。

051 一休.com(成功・成長の原理原則)

1.一休.comとは?

ハイエンドユーザ向けの高級ホテル・レストラン予約サイト。現在では 会員が1000万人を超え、成長を続けています。

ハイエンドのユーザに絞ることで、利用者の検索からノイズを軽減(安い宿やホテルのスイートルームなどを除く)することで利便性を高めるとともに、リピート顧客への付加価値を重視することで、リピート顧客が多いのも特徴です。

現在の社長がデータサイエンティストで、データ分析を戦略策定に用いている点も他サービスとの差別化につながっているように思います。

www.ikyu.co.jp

  

2.収益の源泉は?

ホテルからの成功報酬から顧客へのポイント還元を引いた額が収益の源泉です。

 

3.成功の肝は『高級ホテルの悩み:サービスの同時性の影響 を軽減』

一休のサービスは、高級ホテルにとってもメリットが多い。高級ホテルに空きが出てしまうと、一休に登録することができ、空きを埋める可能性を高められます。特に直前にキャンセルが出た場合には有効になります。高級ホテルは在庫を持てないビジネスです。ホテルはその日にお客さんが入らなければ二度と販売できません。

(サービス特性の一つ、「同時性」のリスクを肩代わりするイメージです)

 

また、一休のビジネスはバリューチェーンが極めて短く、低リスクです。予約の部分だけを担い、後のサービス提供はホテルに任せるため、少ない人員で固定費も少なく事業が行えています。

  

4.壁:競合の多さ?

ホテル予約サイトやレストラン予約サイトは多数あり、差別化だけでは顧客獲得が難しいのではとも思われます。

一休では、新規顧客獲得と既存顧客の維持・リピート向上を両立させようとは一切せず、既存顧客の維持・リピートを最重要視しています。この集中と選択の意思決定や、明確な方針・指針によりサービスに一貫性を生じ、事業の伸びにつながっているものと思われます。

この重要意思決定に対してもデータサイエンティストのスキルを活かしている点もポイントです。 

 

★成功の条件:仮説★

・価値が高くても一時的なものは、価値を失う前に安く売れる

 →ECサイトとしてまとめることで、顧客価値も高まる

 (ただし、サービス提供側のブランドを棄損しないことには注意が必要)

・サービス特性の解消・緩和はニーズが高い(現代の技術で解消できないか)