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IT事業成長、成功の原理原則や、ビジネスアイデアを発信します。

009 トラスコ中山(成功・成長の原理原則)

1.トラスコ中山とは?
機械工具専門の卸売業。在庫アイテム数が約40万、在庫金額430億と豊富な在庫を競争優位の源泉として成長している企業です。独自指標である在庫ヒット率(=発注の何パーセントが在庫でカバーできたか)は約90%であり、ロングテール商品を含め発注→即納品を実現することで、顧客からの信頼を獲得しています。

http://www.trusco.co.jp/business/logistics.html

 

2.収益の源泉は?
工具の販売が収益の源泉です。PB商品の販売もしており、その収益も大きいようです。


3.成功の肝は『KSF(=即時納品)を達成するために、強大なリスクを取る姿勢』

製造・モノづくりの現場にとって最も重要なのが「ほしいものが即手に入る」ことと捉え、一般にリスクの高い在庫を逆に武器とし、徹底的に顧客の満足度を追求しています。

そして、毎日150以上のアイテムが増えていく中でも、顧客に即時納品できる仕組みとして、最先端技術を用いた倉庫管理・ロジスティクス(物流)に莫大な投資をしています。物流センタは26あり、有事でも確実に即時納品ができる設備を整えています。

https://www.youtube.com/watch?v=ugXgQhWCWAM

中抜きの物流が主流になりつつあり、卸売業は危機的状況ですが逃げずに大きなリスクを取り続けていることが成長・成功の要因といえそうです。

 

4.壁:事業のリスクが高すぎて、環境悪化ですぐにキャッシュが尽きるのでは?

在庫が多いということは、売れ行きが悪くなった際の資金繰り悪化のペースが早く、事業としては相当リスクが高いといえます。施設の固定費も高く、キャッシュフローは気を付けなければあっという間に破綻するのでは、と思われます。

トラスコ中山キャッシュフローを見ると、営業キャッシュフローが右肩上がりで、それ以上に投資キャッシュフローのマイナスが大きいことから、儲け以上を投資に突っ込んでいる状況といえます。つまり、圧倒的な投資規模により営業キャッシュフローを高め続ける、という一貫した姿勢が見えてきます。

普通の経営者が怖くてできないことを、徹底的な顧客ニーズ調査と信念に基づき実行し続けることで、壁を越えている(?)ように思います。 

 

★成功の条件:仮説★

・KSFを的確に見つけ出し、圧倒的なリスクを取って対応し続ける

・KSFを達成するコア領域(上記は倉庫オペレーション)での最新技術活用