098 鎌倉新書(成功・成長の原理原則)
1.鎌倉新書とは?
新書といいながら、メインのビジネスは葬儀、お墓、仏壇などの終活ポータルサイトとマッチングビジネスです。
日本最大級の葬儀ポータルサイトである「いい葬儀」や、仏壇探しポータル「いい仏壇」などを運営しています。
2.収益の源泉は?
マッチング成立の成功報酬が収益の源泉です。
コロナの影響はありそうですが、2020年1月期をみると前年度同期比30%の成長を実現するなど、高い成長率で事業が推移しています。(売上・利益ともきれいな右肩上がり)
3.成功の肝は、『顧客ニーズに応えることでさらにニーズを得る好循環を実現』
多くの親族をなくす人の40〜60代の人のITリテラシーが高まってきていることがポータルサイトが成功する要因となっています。また、従前のような地域密着、檀家制度を利用している方が減っていることがWebを用いたマッチングニーズの増加につながっています。
そのほかにも、リソースをお墓の事業に集中する意思決定をしている点が重要と思います。お墓であれば、葬儀と比較し長い時間をかけて比較見当をするため、同社が価値提供しやすいため、その領域にリソースをまずは集中させていました。
また、このサービスは最初から今のモデルだったわけではなく、情報提供サイトを運営しているなかで徐々に紹介してほしいとのニーズが出てきて、気づけばこのビジネスになっていった背景があるようです。このことから、最初から売り上げを期待せずとも増えていくニーズに対応していくことでビジネスニーズが掴める点はポイントかと思います。
4.壁:認知度の向上?
こういったビジネスではまずポータルサイトへの訪問者が増えていくことがポイントになります。この点で、葬儀をキーワードに検索したときのSEO対策には投資をしているでしょうし、サービスをわかりやすく表現できている点もポイントと考えます。
また、全国一律なサービス提供をするのではなく、地方ではなく都市にまずはリソースを集中し、都市圏をターゲットとしています。理由は、地方は変わらず人の紹介がメインのマッチングフローであるのに対して、都市ではそもそも葬儀屋を知らない特性を踏まえているためです。
このようにリソースを集中しつつ、SEO対策等でヒットしやすいよう仕組化することで認知度を向上してきたものと思います。
★成功の条件:仮説★
・高齢者層のITリテラシーの高まりは大きな事業機会
・ニーズに答えていくことで、ビジネス化につながるニーズをとらえられる
・リソースやサービスの集中とSEO対策はWebの認知度向上に重要なポイント