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093 アリババドットコム(成功・成長の原理原則)

1.アリババドットコムとは?

中国のEC業界を席捲する超巨大プラットフォーム。今年の4~6月だけで、売上は1537億5100万元(1元=約15円)であり、Amazonには売上で及ばないものの総流通額はAmazonを上回るほどの巨大経済圏を形成しており、時価総額は30兆円とも言われています。

 

2.収益の源泉は?

成果報酬型広告や取引手数料、有料会員からの会費などが主な収益源です。

 

3.成功の肝は、『後発ならではの競合価格戦略』と『収益のズラし』

これだけの超巨大企業なので成功の肝はいくつもありますが、特に重要だったと思われるのが競争初期段階における取引コストゼロ化施策です。当初BtoBのEC事業をメインで立ち上げていますが、競合はすでに存在していました。そのなかでアリババは、取引手数料を無料にすることで話題とユーザを集めることに成功。

その一方で、キャッシュが尽きて何度も窮地に陥るものの、有料会員制度を作ることで少しズラした角度から収益を確保するなど、次から次へと策を打っていくことで膨れ上がるユーザ数へのサービスを提供し続けていきました。

(CtoCやBtoCへも進出。CtoCの取引量はAmazonを上回る)

 

4.壁:Amazon超えの壁

アリババはAmazonに肩を並べることを目指しているようですが、その壁は相当に高いようです。Amazonが消費者直販をベースにしているのに対し、アリババは出店者と消費者の取引の場を提供する楽天的なビジネスがベースとなっています。Amazon楽天の比較でいえば、Amazonの強みは品質の確保やサービスレベルの確保、規模の経済性による値引き等コスト面での優位性が挙げられます。アリババとAmazonも同様のことが言えそうです。

また、Amazonの利益の源泉はAWSですが(調べたタイミングではAmazon全体よりAWSのほうが営業利益が高い)、アリババにはそこまでの利益の源泉はないというのが現状です。

 

 

★成功の条件:仮説★

・シェアを取る勝負においては、後発であっても(機を逸するレベルじゃなければ)価格を圧倒的に下げることで競争に勝ち得る

・キャッシュが尽きないうちに、シェアを利用した収益源を少しずらして確保する