092 EARIN:完全ワイヤレスイヤホン(成功・成長の原理原則)
1.EARINとは?
完全ワイヤレスイヤホンを最初に開発して世に出したメーカー。その画期的な発明を実現したことと、驚くほど高い音質で発売当初話題になり、多くの引き合いがあったようです。
2.収益の源泉は?
イヤホンの売上が収益の源泉です。
3.肝と壁は『先行優位が働かない場合もある』
EARINは画期的な発明をして当初有名になったのですが、今でもシェアが高いかといえば全くそんなことはありません。言い方は悪いですが、BOSEやAppleに抜群のパスを送ったともいえる状況になっています。
ウォークマンは開発したSONYが優位性を以て長いこと市場を席捲しましたが、EARINはそうはなりませんでした。
それはなぜなのかは明確にわかっているわけではないですが、ブランド構築ができないまま競争に巻き込まれたことが大きいのではと考えます。
完全ワイヤレスイヤホンは世に衝撃を与えましたが、一方で技術的な可能性を世の中に示す結果にもなりました。BOSEやApple、SONYなど音楽業界でブランド力を持つ企業がそれぞれの強みを武器に完全ワイヤレスイヤホン市場に参入したことで、目新しさという武器を失ったEARINの成長は鈍化、伸び行く市場においてもシェアを獲得しきれずになってしまいました。
トップメーカーである企業がイノベーターではなく模倣者であった例は枚挙にいとまがなく、最初にイノベーションを起こした企業が必ずしもトップを走り続けられるわけではないことを示していると思います。
★成功の条件:仮説★
・模倣も立派な戦略。模倣する際に自社のブランド力を生かすことでシェアを奪える。
・先行優位を確保するなら、模倣困難性や模倣されても勝てるかを徹底的に考える(プラットフォーム戦略で囲い込むのもアリだし、上澄み価格で一気に利益獲得をしてしまうのも手)