080 ランドログ(成功・成長の原理原則)
1.ランドログとは?
建設現場の変革に向けたデジタル化・生産性の向上を狙うオープンプラットフォーム。小松製作所、NTTドコモ、SAPジャパン、オプティムの4社による合併会社で、IoTで得られた生データを、価値のあるデータに変換して様々な職場や会社で使えるデータとして提供しています。
社長の井川さんは、クラウドソーシングの衝撃の著者の一人です。クラウドソーシングの衝撃は、著名なブロガーのちきりんさんもブログで取り上げられた良書です。私がクラウドソーシングに興味を持った際にこの本を知り、東工大に話を伺いに行ったことがあります。
2.収益の源泉は?
サービス利用料が収益の源泉です。建設現場で使われる機労材(機械、労務、材料)のデータを収集して、企業に提供することで収益を得ています。企業側ではそのデータに基づきアプリケーションを作り、それを建設現場で用いることにより生産性の向上を図ることができます。
3.成功の肝は『生データから価値あるデータへ』
IoTを活用すれば生産性が向上する、AIを使えば自動化が進むといった話はよく聞きますが、実際にIoTのデータを活用しようとすると、そのデータ加工に苦慮することになります。
生データは玉石混交かつ取り扱い易い形式でないことがほとんどであり、よほどの知識がなければ活用は非常に難しく、習熟が必要です。
一方建設現場でそのような習熟をすることは本質ではなく、IoT生データではなく、使える価値のあるデータを使いたいという潜在ニーズがあります。
そこに対応したのがランドログで、扱いにくい生データから下ごしらえをした使えるデータを会社に提供することを価値としています。
4.壁:サービスがわかりづらい?
ランドログのサービスは魅力的ですが、なかなか伝わりにくいように思います。BtoBなので、わかりやすい、バズりやすいということの重要性はそこまで高くないと思うものの、オープンプラットフォームにおいては悩ましいところかと思います。
ランドログでは、建設業に絞ること、コマツなど大手で成果を上げること、パートナー制度を設けることにより、サービスの良さによる口コミ/マスコミでの取り上げなどにより知名度を高めているようです。
★成功の条件:仮説★
・バズっている技術のイメージと実用の間を埋めるサービスはビジネスになる
・(魅力的だけど)わかりづらいビジネスはまず領域を絞って事業展開する