047 CASH(成功・成長の原理原則)
1.CASHとは?
持ち物現金化サービス。持ち物を写真に撮ってアプリにアップするだけで現金が手に入り、後日その持ち物を郵送する性善説を前提としたビジネスです。
「実験思考」の著者光本勇介氏が提供したサービスで、サービス開始から16時間半で現金化総額が約3億6600万円に達するなど話題を呼びました。
最終的にサービスを提供していたBANK社は70億でDMMに事業売却をしています。
2.収益の源泉は?
ユーザから送付された商品の現金化が収益の源泉となります。
3.成功の肝は『実験思考』
商品の写真をアップするだけで現金が手に入るサービスということは、サービス提供側は現金を先に支払い、しばらくして受け取った商品を現金化するまでキャッシュフローはマイナスになるハイリスクサービスです。さらに、お金だけを受け取って商品が送られなければ単なる損失になってしまう性善説ビジネスであり、かつサービス利用者数は全く読めない=青天井の支出リスクがあり、普通の企業では当然Goの出ないビジネスモデルといえます。
これを実現できたのは、光本氏の実験思考(世の中を試してみたいという気持ち)とお金は何とかなるという資金力以外にないのではと感じます。
実際には9割以上の人がきちんと商品を送付して性善説ビジネスが成立することを証明したとのことでしたが、なかなか真似できない次元のサービスが誕生し、クラウドソーシングではそういったサービスにお金がつく傾向にある点は重要な変化点です。
4.壁:さばききれないトランザクション
サービス開始16時間で3億円を超える取引がされ、その後膨大な商品が送られてくる、それを4人で捌く、という対応不可能な状況に陥りました。これに対し、平謝り&サービス一時停止という策をとっています。
スタートアップならではの策であり、またサービス利用者にはすでにお金が支払われていることから、会社が傾くレベルでの風評ダメージは抑えられたのではと推測します。
★成功の条件:仮説★
・顧客のあったらいいけどできないでしょ、を実現する
→クラウドソーシングでお金を徴収するのもあり
・取りうるリスクの額を高めるほど面白いチャレンジができうる