社会の非効率、アンマッチをITで解消する!

IT事業成長、成功の原理原則や、ビジネスアイデアを発信します。

089 SHOWROOM(成功・成長の原理原則)

1.SHOWROOMとは?

人生の勝算、メモの魔力で有名な前田裕二社長が立ち上げた、バーチャル上のライブ空間です。路上ライブに近い状態を仮想空間で実現しており、アーティストとの双方向コミュニケーションや投げ銭(ギフト)による応援などができます。

www.showroom-live.com

 

 

2.収益の源泉は?

投げ銭する人が演者のために購入したギフトの一部が収益の源泉です。

 

3.成功の肝は『体験価値の重要性が増していること』

現代は海賊版が出回り、サブスクリプションや無料配信動画が世に出回っており、プロダクトとしてのCDやDVDが売れなくなっています。その一方で、相対的に体験価値が高まっています。SHOWROOMはそのような時代背景にマッチし、どんどんユーザを伸ばしています。

※前田社長が著名人であることもSHOWROOM知名度向上に大きく寄与していると思います。

 

4.壁:最初の人集めの段階はやはり大変?

SHOWROOM立ち上げ時にはもちろん同様のサービスはないため、演者や利用者の確保が大変だったと想像できます。

最初はエンジニアも1名でシステム構築が追い付かず配信に大失敗し、その後も利用者が増えずに苦労をしたようです。他のプラットフォーム系ビジネス同様熱い気持ちでライブハウスに足を運び、演者を一人ひとり増やしていったことが成長につながったようです。

journal.rikunabi.com

 

★成功の条件:仮説★

・アツい想いの持てる領域でビジネスをすることで苦境を乗り越える

・高い体験価値を提供できること

088 放課後マネキン(成功・成長の原理原則)

1.放課後マネキンとは?

女子中高生向けの衣類格安レンタルサービス。300円という破格で女子中高生向けブランドの服が借りられるサービスで、現役女子高生起業家が提供していることでも話題になりました。放課後マネキンというのは、ブランド物の服を女子高生が放課後着てあるくことでマネキンとしての広告効果を発することを意味しているようです。

www.nadie.co.jp

 

 

2.収益の源泉は?

1回300円のレンタル料金だけでなく、ファッションブランドへの情報提供料やブランドからの宣伝広告費が収益の源泉であるようです。

 

3.成功の肝は『マネタイズの方向性を転換したこと』

通常衣類のレンタルサービスは、レンタル料金が収益の源泉になります。しかしながら、このモデルはターゲット層が女子中高生であるためにそこからのレンタル利用料だけでは収益が不足します。価格を高く設定した場合、顧客が全くつかないことになります。

女子中高生をターゲットにすることを決めていた女子高生起業家は、いかに安くレンタルするかを考えて今のモデルにたどり着いたようです。

 

4.壁:どうやってブランド側からお金をもらうのか?

ファッションブランド側はどうしてこのビジネスにお金を支払うのか。対象衣服を着てもらい、宣伝してもらうといってもどのブランドを着ているかがわからなければ宣伝効果は薄いと思われます。

ブランド側の価値として、「流行の情報が得られる」「ブランド認知してもらい、長く使ってもらう」ことが大きな価値です。女子中高生はこれから長くファッションと付き合うことになります。その初期段階で、自社ブランドを認知し、好感を持ってもらえれば長期にわたって使ってもらえる可能性があります。

 

★成功の条件:仮説★

・顧客の立場に徹底的に立てることで、顧客本位のサービスが実現できる(女子高生にしかわからない女子高生の感覚が武器)

・ターゲット顧客層がお金を持っていないなら、サービス提供者側からお金を得る方法を探る

087 GATHERING TABLE PANTRY(成功・成長の原理原則)

1.GATHERING TABLE PANTRYとは?

ロイヤルホストを運営するロイヤルホールディングスが実験的に作った完全キャッシュレスレストラン。キャッシュレス化することにより、現金を取り扱う業務がなくなり、その時間を教育や調理に使うことができ、かつ現金取り扱い・金庫管理などの不要な精神的負荷も軽減することで、生産性を向上しています。

常に人手不足の外食産業において、求人倍率が数倍と応募者が殺到した点からも従業員にやさしい店舗運営につながっていることがわかります。

gatheringtable.jp

 

2.収益の源泉は?

飲食代が収益の源泉です。

 

3.成功の肝は『売上より利益を追求する姿勢をトップダウンで貫く』

生産性向上を図る目的で、キャッシュレス店舗を実現し、成果をあげていますが一方で売上を上げるためには、現金決済をしたい顧客を取り込むことが必要です。ロイヤルホストでは利用者の8割が現金決済をしているようです。

おそらく現金客も受け付けよう、という話は内部で議論になったと思いますが、もともとの目的である生産性の向上を捨てる判断はせず、キャッシュレスを維持しています。ここで現金を少しでも取り扱うと、毎日のレジ締業務、金庫管理、両替、入出金等々多くの現金取り扱い業務が発生してしまいます。

完全キャッシュレス化の 副次効果として、顧客の情報が完全にデジタルデータとしてとらえられる点も魅力です。

 

4.壁:現金客とのトラブル?

電子マネー、キャッシュレス化は進んでいるものの、いまだ現金至上主義の人は多く存在しています。たまたま新たな店舗を見つけて注文・食事をした後に現金が使えないことに気づいたらどうなるのか。

実はそういったトラブルは0件のようです。理由は、注文する際に大きくタブレットで現金が使えない旨表示するためです。

このように業務フローをトラブル回避のために設定できている点が優れていると思います。

 

★成功の条件:仮説★

・「完全」キャッシュレスでレジ締・金管理、入出金、データ収集などあらゆる業務が効率化、高度化する。中途半端は悪である。

・想定されるトラブルを回避するような業務のフローを考える

086 GA technologies(成功・成長の原理原則)

1.GA technologiesとは?

デジタル化が遅れる不動産業界において、DXの成功事例として注目されている企業です。「不動産のAmazonを目指す」ことを発信し、社内組織としてもIT系と不動産系の社員を融合させ、幅広い領域でデジタル技術を用いた効率化や顧客サービスの高度化を実現しています。

不動産業に内包される様々な業務(賃貸借、売買、投資、少額投資やクラウドファンディングに至るまで)をすべて自社で賄っており、フルラインでのサービス提供をしています。

www.ga-tech.co.jp

 

2.収益の源泉は?

不動産売買、賃貸借手数料に加え、社内のシステム(パッケージ)を同業に販売もしているようです。

 

3.成功の肝は『同業他社すら顧客として取り込む』

GA technologiesは技術力の高さ、フルラインの不動産サービス提供に特徴がありますが、そのアセット(技術資産)を同業他社に売っている点もユニークです。

AmazonECサイトを構築するために工夫を凝らして編み出したクラウド技術を世に売り出すことで、最も大きな利益を得ています(Amazon Web Service)

同じように、同社でも自社内で開発した業務支援システムを他の不動産に外販している点がすばらしく、またその販売が可能であるほど本質的な課題を解消するためのデジタル化ができているのだと思います。

 

4.壁:IT社員と不動産社員の融合?

 

DXには技術面と業務面の高いレベルでの融合が求められます。同社も不動産系人材とIT系人材の融合を図りましたが、そもそもの文化の違い、価値観の違いが大きく離職者が相次いだようです。

同社は双方が相手の立場、業務を経験することで融合を図りました。具体的には、社長がプログラミング学習を本気でやる、エンジニアが不動産営業に従事するなどを実施することで、徐々に融合ができ、日々DXを議論できる風土が生まれたようです。

 

★成功の条件:仮説★

・自社内での工夫を同業に売る

・DXには業務面、技術面における高いレベルの融合が必要

085 Progate(成功・成長の原理原則)

1.Progateとは?

プログラミングを学ぶための教育プラットフォーム。非常に敷居が低くプログラミングの学習が開始できる点が特徴で、流行りのPythonなどの新たなプログラム言語も簡単に学ぶことができます。

prog-8.com

 

2.収益の源泉は?

有料ユーザからの月額費用が収益の源泉です。

 

3.成功の肝は『開始の敷居を圧倒的に下げる』

従来もプログラミングを学べるサイトやサービスは多々ありました。実際にProgateを使ってみて感じたのは、プログラミング学習の開始/プログラムを動かす経験を得るための敷居が圧倒的に低い点です。

プログラミング言語を学ぶには、最初に環境を準備したり、コンパイルとは何ぞやといった基本的な知識や準備が必要となります。コンパイルして動かなかったりすると、環境が悪いのかプログラムが悪いのかわかりませんし、そもそも動かして結果を得るまでのハードルが結構高いと思います。Progateは簡単な学びのあとに、ブラウザ上でプログラムを実際に記載できる窓が出てきて、プログラムを書くとプログラムの動作結果(NGの場合はそれがわかるように)が出力される仕組みとなっています。

今までなぜこういうサービスがなかったと思うようなサービスでした。

 

4.壁:模倣困難性が低いのでは?

上記だけであれば、大手の教育系企業も簡単にまねができ、プログラミング言語習得をコンテンツとしたサービスが提供できそうです。

今の時点では類似サービスは見つけられませんでしたが、おそらく先行者メリットを得てユーザを早期獲得し、コンテンツを拡充し続けることで顧客の固定化を図っていくものと思います。結果としてコンテンツを充実させ、ユーザをさらに増やすというサイクルが出来上がってくるとさらに確固たる事業基盤ができてくると思います。  

 

★成功の条件:仮説★

・教育系サービスは、教育開始の敷居をとにかく下げることが大事。本質を見極めサービス化する

084 Perfume(成功・成長の原理原則)

1.Perfumeとは?

3人組の女性アーティスト。テクノポップユニットとわれているようです。プロジェクションマッピングなど、最新のテクノロジーとパフォーマンスを融合することで、海外でも高い評価を受けており、アメリカ最大の野外音楽フェスティバルである「コーチェラ」にJ-POP史上初めて参加したようです。

www.perfume-web.jp

 

2.収益の源泉は?

通常のアーティストと同じ収益源だと思われます(CDの販売、著作権、ライブ、グッズ販売など)

 

3.成功の肝は『技術活用ではなく技術との融合』

ファンの人が書いたブログによると、ライブパフォーマンスのすごさとファンサービスの良さが人気の理由のようです。

Perfumeが人気の10の理由|のちろぐ

そして、ライブのすごさとして有名なのがプロジェクションマッピングなどの技術の活用ですが、調べてみると、3人が顔の角度から手の動きまでしっかりシンクロする独特のダンスがベースとなっているためにプロジェクションマッピングの効果がさらに高まっているようです。

ただ技術を使うわけではなく、通常のパフォーマンスとの融合をきわめていることが成功の肝なのだと思いました。

 

4.壁:簡単に真似されるのでは?

多少の真似をされているようですがPerfumeの地位を覆すアーティストは出ていないように思います。これも繰り返しになりますが、技術をただ使っているのではなく、ダンスのレベル、技術と融合した独特なダンス(そして、彼女らの人間性も人気)が高次元で実現できていることで、簡単には真似できない、むしろ真似するアーティストがPerfumeの宣伝をしている状況を創り出しているのだと思います。

 

★成功の条件:仮説★

・技術活用ではなく、技術との融合。自分らから技術に歩み寄ることも大事

・高次元で技術融合できていれば、模倣者は宣伝者に変わる

083 ドラクエウォーク(成功・成長の原理原則)

1.ドラクエウォークとは?

コロプラ社がスクエアエニクスと共同で作ったドラクエのARアプリ。売上は300億円を超え、利益もたかまっています。大人気シリーズのドラクエのキャラクターや世界観を反映したARアプリで発表当初からダウンロード数は伸び(それは想定どおり)、今でもダウンロード数が伸び続けています。

つい先日1周年を迎えてたことで話題になっています。

 

2.収益の源泉は?

ユーザからの課金及び、コラボ企画によるスポンサーからの収入が収益源です。

 

3.成功の肝は『飽きさせない工夫をし続ける

ドラクエのブランド力と、ポケモンGOの流行を考えると、初期にユーザを獲得するのは比較的簡単であったと思います。一方で、収益を上げるための課金のバランスや、無料ユーザを飽きさせない仕組などがなければすぐに顧客は離反します。今は様々なゲームアプリ、アプリがあり、無料で楽しめる時代です。ユーザの時間を自社アプリに使わせるのはなかなか難しい状況です。

ドラクエウォークでは定期的なイベントに加え、ふくびき(ガチャ)イベント、新たなステージの登場などを通じて、顧客を飽きさせない仕組みを持続的に行うことで、ユーザ数の維持・向上を図っています。

 

4.壁:ゲーム性の設計はどうやっているのか?

RPGなどすべてのゲームに言えることですが、簡単すぎず、難しすぎない難易度の設定や、やりこみ系の塩梅(やりこむにしても時間がかかりすぎてもかからなさ過ぎてもいけない)等々、ゲーム性の設計はすごく難しいと想像します。

少し調べてみると、難易度の設計の問題はアーケードゲーム時代に特に重要な問題であったようです。(難しすぎると誰もお金を使わないし、簡単すぎると何時間も100円で遊ばれてしまう。)昔のゲームではワープや裏技を駆使することで、レベル高い人でも楽しめる工夫をしていました。

今のゲームはバージョンアップが容易に行えるため、基本は徐々に難しくしていきつつ、難易度設計に問題があれば随時設計を変えていくということが可能であるため、多少はましなのかもしれません。(とはいえ、最大レベルに対する経験値の設定などは結構微妙なところで、後から変えづらいところだと思いますので設計は難しいと思います)

  

 

★成功の条件:仮説★

・ゲームは難易度設計を慎重にしながら、常に楽しみを提供し続ける