066 OriHime(成功・成長の原理原則)
1.OriHimeとは?
オリィ研究所が作る分身ロボット。単身赴任や身体的な問題、不登校など、行きたいところに行けない人のもう一つの体として提供するロボットです。
人工知能ではなく分身であることがポイントで、距離や障がいを超えてコミュニケーションをできる仕組みとなっています。
2.収益の源泉は?
ユーザからのサービス利用料が収益の源泉です。概ね月額10万以内の価格設定がなされています。
https://www.itreview.jp/products/orihime/price#tutorial
3.成功の肝は『本人に見えてくるロボット』
OriHimeは姿カタチは完全にロボットで、歩くこともできないのですが、仕草や手の動き、会話の機能など、少しずつ本人に見えてくる工夫が随所になされているようです。
物理的にその場に人間のカタチをしたロボットを置き、そのロボットを本人が遠隔操作することで、あたかも本人がその場にいるようにコミュニケーションができることが特徴です。
それ以外にも、喋れない人が手や目線を使ってしゃべることができるなど、身体的な問題への対処もすることで、利用者の幅を広げています。
4.壁:ニーズはそんなにないのでは?
身体的な問題を抱える人とのコミュニケーションにしても、遠隔コミュニケーションにしても、今は遠隔コミュニケーションがしやすくなっています。わざわざ数万円を出してでもロボットを使う人は少ないのではと思われます。
実は、オリイ研究所の創業者吉藤さんは、小学校〜中学校のときに過度のストレスで自宅療養を余儀なくされたようで、遅れを感じたり周囲とのコミュニケーションギャップを感じて苦しんだ経験があり、その経験からOriHimeを発想したようです。
そう考えると、コアで深刻な人がターゲット層であり、その人達には深く刺さるプロダクトに設計されているのだと感じました。
https://www.kaigonohonne.com/news/article/1311
★成功の条件:仮説★
・多くの顧客ではなく、コアで深刻な悩みを抱える少数の顧客に深く刺さるプロダクトを作る選択肢もある
・AIじゃなく、人間が中で操作するロボットもアリ。