013 セブン銀行(成功・成長の原理原則)
1.セブン銀行とは?
通常の銀行とは異なり、融資ではなく600以上ある提携金融機関(銀行も含まれる)が手数料を支払って成立している銀行です。
ATM設置台数は25,000台以上。セブンイレブン店舗だけでなく、空港や駅など様々な場所に設置されています。
2.収益の源泉は?
提携金融機関からの手数料が収益の源泉です。
セブン銀行の経常利益1,202億のうち、1,087億がATMによる手数料で得た利益です。(2020年3月)
https://www.sevenbank.co.jp/ir/finance/highlight/
3.成功の肝は『圧倒的な提携銀行数とそれを可能とするコンビニのチャネル』
セブンATMは基本的に店舗に設置されていますが、そのメリットは計り知れません。
セブンへの来店頻度が高まる=客数の増加だけでなく、ATMがあることで、店長がレジのお金を安全安心に預金することができます。(引き出しももちろん可)
また、セブンATMはALSOKの利用頻度が極端に低いというデータがあります。これは、店舗内ゆえにセキュリティが高いためです。それに伴い、セブンATM機器はほかの銀行ATMと比較し圧倒的に軽く、持ち運び可能なサイズで機器費用そのものも抑えられているようです。1石5鳥も6鳥もある素晴らしい打ち手であるといえます。
提携銀行としても、コンビニのチャネルを活用するメリットは大きく、提携企業数が600を超えているのも特徴です。
提携銀行数の多さから、コンビニ内以外でもセブンATMの需要が拡大し、様々な場所に設置されるに至っています。
4.壁:キャッシュレス時代にどう対応するか?
社会はキャッシュレス化が進み、ATMの活用機会が減ることが想定されます。その壁にどう対応しているのか。
調べてみると、キャッシュレス化であってもATMのニーズは減らないと考えているようです。LINE Payやソフトバンク・ペイメント・サービスなどの新たなペイメントサービスからも提携の依頼が舞い込むなど、リアルな拠点とバーチャルな世界との接点としての位置づけとなるようです。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/58427?page=2
★成功の条件:仮説★
・コンビニに多くのメリットがあるサービスを提供し、コンビニの圧倒的なチャネル力を活用する
(先方に圧倒的なメリットを与えることで、先方の圧倒的経営資源を活用させてもらう圧倒的Win-Win)
・ユーザ視点のあったらいいなを、関係ステークホルダへのメリットを示して実現する。