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003 ライフネット生命保険(成功・成長の原理原則)

1.ライフネット生命とは?
世界初のインターネット専業保険。2020年3月期の売上(保険料収入)は約165億とここ4年で売上は約2倍、契約数は30万件を超えています。

参考:https://data.swcms.net/file/lifenet-seimei/ja/news/index/auto_20200616164200_S100ISR4/pdfFile.pdf

 

2.収益の源泉は?
他の保険会社と同様、顧客からの保険料収入が収益の源泉です。

特徴としては、インターネット専業とすることで付加保険料(店舗費、人件費、光熱費)の原価を下げ、それを顧客に還元している点です。それにより、保険料は一般より4割以上安く、かつ支払保険料は同水準を実現しています。


3.成長の肝の肝は『本来の保険とは?に立ち返ったこと』

ライフネット生命の成長は、①シンプルなサービスによるとっつきやすさ、②費用構造の明確化による不安の解消、にあると思いますが、そもそもの起業の経緯を見るとビジネスモデルの在り方が見えてくるように思いました。

 

創業者の出口氏は保険業界でベンチャーを立ち上げる際、そもそも生命保険の歴史の始まりを振り返り、生命保険の意義を確認したようです。つまり、苦しんでいる人を助ける仕組みを作ることであり、そのためにはインターネット専業にすることで保険料を下げ、収入の少ない人にも安心して生活できる社会を築くことに行きつきました。

 

※シンプルなサービスにするというのは、Spotifyの明確なコンセプトにも通じるものがあります。

 

oshiryu.hatenablog.com

 

 

4.壁:大手によるベンチャー潰しを回避したポイントは、コストの開示

リーダー企業の定石の一つに、「同質化政策」があります。これは、チャレンジャーが差別化戦略をとった際に、リーダー企業の豊富な経営資源を用いて模倣し、差別化を無効かする戦略です。大塚製薬ポカリスエットに対して、コカ・コーラアクエリアスを後発販売したことが有名です。

これに対し、大手は営業要員の原価が保険料に多く含まれることを開示できないこと(タブー)、ネット専業に舵を切ることができないことから、ライフネット生命は大手には追随できない差別化を実現できたといえます。

  

★成功の条件:仮説★

・既存市場に切り込む場合は、市場の本来の意義に立ち返ること

・市場に受け入れられるためには、シンプルで分かりやすいサービスを提供する

・常識を覆すには、新しいことを考えるのではなく、本来の目的・意義に立ち返ること、そして現代技術を用いた目的・意義達成を図ることが重要